東京国立博物館 平成館 〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9 |
Treasures of the Imperial Collections Splendor of Japanese Art |
御即位20年記念特別展 「皇室の名宝―日本美の華」 |
天皇陛下御即位20年を記念して、御物および、正倉院や三の丸尚蔵館など宮内庁が所蔵する皇室ゆかりの名宝を1期と2期に分けて、紹介するものです。 |
―― 本展では皇室ゆかりの名宝をこれまでにない規模で公開いたします。 長い歴史の中で皇室に護り伝えられた美と伝統に親しんでいただければ幸いです。 ―― |
展覧会は終了しました。 |
<1期:2009 10/6〜11/3 永徳、若冲から大観、松園まで> |
1期:展覧会より四作品をご紹介します。 |
第1章 近世絵画の名品 |
《動植綵絵 群鶏図》 伊藤若冲 江戸時代(18世紀) 三の丸尚蔵館 |
伊藤若冲 《 近年、特に人気が高い、江戸時代中期に京都で活躍した伊藤若冲(1716〜1800)の代表作であり、彼の生涯においても記念碑的な作品。30幅に及ぶ大作は、本来、釈迦三尊像を荘厳するための仏教絵画であった。本来は青物問屋の主人でありながら、その家業を弟に譲って画業に専念し始めてまもなくから描き始めたこの大作は、若冲が精神的にも、経済的にも、最も充実した時期に描かれたものである。 |
第2章 近代の宮殿装飾と帝室技芸員 |
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《雪月花》 花 上村松園 昭和12(1937)年 三の丸尚蔵館 |
《雪月花》 月 上村松園 昭和12(1937)年 三の丸尚蔵館 |
《雪月花》 雪 上村松園 昭和12(1937)年 三の丸尚蔵館 |
上村松園 《雪月花》昭和12(1937)年 三の丸尚蔵館蔵 貞明皇后の御下命を受けて、完成までに20年以上を費やした上村松園(1875〜1949)の代表作である。 『枕草子』 『源氏物語』 『伊勢物語』 という古典文学に想いを得た平安貴族の優美な情景が、情緒豊かに表された名品である。女性として初めて文化勲章を受章した。 |
<2期:2009 11/12〜11/29 正倉院宝物と書・絵巻の名品>
第1章 古の美 (考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物) 第2章 古筆と絵巻の競演 第3章 中世から近世の宮廷美 (宸翰と京都御所のしつらえ) 第4章 皇室に伝わる名刀 東京で久々の公開となる正倉院宝物に加え、法隆寺献納宝物、考古遺物を中心とする古の世界にはじまります。次に王義之、小野道風、藤原行成、藤原定家らによる名筆の数々と「春日権現験記絵」「蒙古襲来絵詞」などの絵巻が華やかに美を競い合います。続いて天皇の書(宸翰)と屏風などによる京都御所のしつらえの優美な世界を紹介し、最後に刀剣の名作を展覧いたします。 |
2期:展覧会より二作品をご紹介します。 |
画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。 |
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第1章 古の美 (考古遺物・法隆寺献納宝物・正倉院宝物) |
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蓋や注ぎ口が鳥の頭をかたどっている、ペルシャ風の水差し。器胎は、テープ状の細長い薄板を巻いて作られている。表面には、黒漆を塗り、鹿や羊、鳥や蝶、草花などの形に切り抜いた銀の薄板を貼って、文様を表わしている。 『国宝珍宝帳』 に記載があり、天平勝宝8歳(756)、聖武天皇の四十九日にあたり光明皇后が東大寺盧舎那仏に献納したと知られる宝物の一つで、正倉院宝物の漆芸品を代表する存在でもある。 |
第3章 中世から近世の宮廷美 (宸翰と京都御所のしつらえ) |
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狩野探幽 《源氏物語図屏風》 江戸時代、寛永19(1642)年 三の丸尚蔵館 『源氏物語』 全54帖から各帖の主要な場面を選んで描いた屏風。各場面をつなぐ金箔の雲や大小の切り箔、金泥、銀泥によって物語が明るく彩られている。古来、さまざまな形で絵にあらわされてきた 『源氏物語』 は、徳川将軍家の絵師狩野探幽によって、従前の源氏物語図よりも淡く、さらに広く余白をとる構図で江戸時代における新たな源氏絵として描かれている。 |
皇室コレクション、平成の歩み―新たな展開とこれから 太田 彩 (三の丸尚蔵館学芸室主任研究官) |
平成21年(2009)は、天皇陛下御即位20年、そして両陛下御結婚50年が重なり、二重の慶事となった。…神話の時代にまでもその歴史が語られるほど、実に長い歴史をもつ皇室は、日本文化の発信の場として、その中心的立場として常に重要な位置にあり、果たしてきた役割はきわめて大きい。そして、近世期まで行われてきた伝統的宮中の儀式や行事、そして和歌、雅楽など、長い間、培われてきた日本文化の伝統を、今日なお伝え続けている。明治という近代の幕開けと同時に、皇室は京の都から江戸へと移られた。…新たな日本の中心都市となった東京において、天皇を中心とした制度、組織、そのための施設等が急ピッチで整備された。…古くから、遷都や政治体制の変化、また戦乱や災害等により天皇の住まいが変わるたびに、新しい建造物、装飾のためのさまざまな美術品制作が行われることとなり、それに優れた作家たちが技術を結集して臨む。さらにその空間から時代に応じた文化が育まれていく。その歴史は繰り返されてきた。ゆえに日本文化の歴史と皇室の関わりは切り離すことができないのである。…当館の収蔵作品や近代以降の皇室と美術を考える場合、…宮内省、宮内庁で保管してきた品々は、少なくとも「御物」を中心として、大きな意味での「皇室コレクション」とまとめて考えるべき機会も必要であろう。…平成の皇室コレクションは、両陛下の御心を受けて、新たな公開への道を歩み始めるとともに、保存事業にも力を入れ、両陛下の御力添えも加わって、後世へ品々を伝えていくための積極性ある歩みをも確実に進めていこうとしている。(『皇室の名品』カタログ巻頭論文より抜粋) |
お問合せ:03-5777-8600 (ハローダイヤル) 公式ホームページ:http://www.bihana.jp 主催:東京国立博物館、宮内庁、NHK 特別協力:NHKプロモーション、読売新聞社、日本経済新聞社 |
参考資料:Press Release、カタログ他。 |
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